第14回無声映画を体験しよう!「オペラの怪人」は、満員御礼で終了
12月8日の第14回無声映画を体験しよう!「オペラの怪人」は、満員御礼で終了することができました。
当日の朝は吹雪いていたり、上映時間が近づくにつれ、雪が降ったり止んだりと天候が悪くなる中、キャンセルされる方もほとんどなく、会場はお客様でいっぱいとなりました。
誠にありがとうございました。
上映作品「オペラの怪人」への想い
「オペラの怪人」(「オペラ座の怪人」)は、この作品自体のファンも多いですね。
もちろん私も好きな作品なので上映作品として選びました。
今回の1925年版サイレント映画は、20代の頃に観ていますが、当時はそれほど深く心に止まった訳ではなく、やはり2004年版、監督ジョエル・シュマッカーの作品をきっかけに追いかけるようになりました。
他には日本未公開の1998年監督ダリオ・アルジェント版。
この作品はビデオで観ましたが、ホラー監督だけに奇怪な演出で、怪しげでしたが、セリフに惹かれた部分がありました。
怪人の内面が哀しげだったのです。
それから原作を読み、作品本来の方向性を知り、DVDでミュージカル「オペラ座の怪人」25周年記念ロンドン公演版を観たりしました。
それらを経てこのサイレント版を改めて観ると、約100年前の作品ですが、シンプルながら豪華に作られていて、映画本来の面白さを感じます。
それを伝えるために台本作りはギリギリまで言葉の選択を考えました。
私は怪人を「哀しい男」にしたかったのです。
ピアノの生演奏が欲しい!
そしてもう一つ。
これを演るにはどうしても生演奏が欲しかった。
あまりにも有名になったアンドルー・ロイド・ウェバーの「オペラ座の怪人」のテーマ曲が私の頭の中を駆け巡っていたのです。
「ああ、またあの曲か」と思われる方も多いと思いますが、私はこの曲が大好きです。
そこで以前パフォーマンスでご一緒した、ピアニストの内田聡子さんにライブ演奏をお願いしたのです。
ただ彼女も初めての映画伴奏。
しかも売れっ子ピアニストで、ご自身のライブ活動もされているので稽古時間があまり取れない。
そこで半年前には台本を上げ、イメージを作ってもらったのです。
聡子さんの作曲力、即興力、頼もしい限りで、イメージ通りに仕上げてくださいました。
そして会場の札幌市資料館にある電子オルガン。
昔、寄贈された物だそうですが、古くても立派に音を奏でてくれました。
音色のパターンが幾つかあったのも功をそうしました。
アンケートにご記入いただきありがとうございました!
最後に、アンケートに残してくれたお客様の声をいくつか紹介させて下さい。
*豪華な映画でした。
*初めての体験で素敵でした。また観たいです。
*今回の映画、素晴らしい。演奏付きは6回目ですが、本当に素晴らしいです。
*情景描写、コメントがなかったので分かりにくかったです。
*20年前、高校生の時に映画「オペラ座の怪人」を観ました。今年久しぶりに4Kで同じ物を観ました。一番最初の映画を観たくてきました。原作は途中まで読みました。祖母が生まれる前年の作品です。今度祖母に会った時、今日の話をしたいと思います。モノクロ、活弁付きの無声、ピアノのみという限られた情報の中で、より映像と内容に集中できました。たまにはこういうシンプルな映画も良いですね。
ここに掲載したもの以外にもたくさんの感想を書いていただきました。
本当にありがとうございました。
次回(6月8日)に向けて
次回、札幌での上映会は6月8日を予定しています。
場所は同じく札幌市資料館です。
また皆様に楽しんでいただけるよう準備をいたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。
活動弁士 飯村宏美