「蛙の会」とは?

株式会社マツダ映画社が主催している「無声映画鑑賞会」の有志会員で構成されている話術研究会の名称です。

小野道風(おののみちかぜ/とうふう)の絵で有名な柳に飛びつこうと努力する蛙のすがたから、自分たちもを目標を持って頑張っていこうとの思いでつけられました。

この会は月に1回、約3時間ほどになりますが、マツダ映画社内の試写室に集まり研究会が開かれています。

ここでは会員の方々が活動弁士や紙芝居の語り口調を通じて話芸を勉強して、年1回おこなわれます発表会に向けて励んでいます。
老いも若きも、プロもアマも、各人の仕事・立場に関係なく、皆さんが一緒になって取り組んでいます。

(マツダ映画社は無声映画はもちろん、当時使われた街頭紙芝居そのものも多く保存されています。)

発声練習からスタート

「蛙の会」は、発声練習から始まります。

まずは演劇部の練習風景などでおなじみの「アエイウエオアオ・・・」ですね。

その後、口まわりの筋肉をほぐすのに役立つ「外郎売(ういろううり)」や早口言葉をひとりずつリレー方式で進めていきます。

「拙者親方と申すは、御立会の内に御存知の御方も御座りましょうが〜」

ここでは早口言葉がうまくできることが求められているわけではありません。
言葉のひとつひとつきちんとが発音できているか、イントネーションは正確なのかが求められています。

「外郎売」を早口で言えるかどうか、ということが話題になりがちですが、「語り」という点にも重点が置かれます。

発声練習が終わると

「口まわり」の準備運動が終わりましたら、みなさんそれぞれが興味を持っているものの勉強にはいります。

紙芝居に興味がある方、無声映画に興味がある方はそれに向けて。
まだ自分の演りたいものがはっきりしていない方には、会長の松戸さんがその方の雰囲気に合わせてアドバイスをしてくれます。

この時、誰かが先生の立場になって「この通りにやりなさい」というような指導は一切ありません。

プロの方々から貴重な意見がもらえることもあります。
例えば紙芝居のプロの方は、紙芝居の抜き方などのテクニックを披露してくれますし、無声映画は昔の弁士口調など参考事例を語ってくれます。

研究会として

月に1回の集まりでは自分のいままでの勉強過程を披露することで、みなさんから多くのアドバイスをいただくことができます。

そのアドバイスを次回以降に活かしていくためにも、自分でも日々の勉強、研究の積み重ねが大事なのだと思います。

そういった意味では、この会はいわゆる「お稽古事」という感じでなく、まさに「研究会」ですね。

「ちょっと厳しそう!」と思われるかもしれませんが、実際は個人個人の趣向を大切にしてくれる、とても大人で和やかな会となっています。

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